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運転からわかる認知症の兆候。チェックリストや運転見守りサービスを紹介

希望ちゃん
最近は高齢者による交通事故が増えているんだって。どうすれば防げるのかな?
ナニカちゃん
チェックリストや運転見守りサービスがあるみたい。
カナエちゃん
自分で危険運転に気づくのは難しいと思うな。チェックリストや運転状況を記録してくれるツールを活用すると良いんじゃないかな。
ウゴくん
家族みんなでチェックしあうと、客観的に運転状況を見直せるね。
オモイちゃん
それいいかも!本人だけじゃなくて、家族みんなが安全運転を意識するようになるね。

2017年の1年間に交通死亡事故を起こした75歳以上の約半数が認知症の疑い

75歳以上になっても運転免許を持ち続ける場合、免許を更新する時に記憶力や判断力を調べる「認知機能検査」を受けることになります。

免許更新時に行なう検査は、あくまでも「疑いがある」という結果が分かるだけです。「認知症の疑いあり」と判断されても、免許を持ち続けることができます。

警視庁の調査によると、2017年で交通事故を起こした高齢者は385人。そのうちの何と49%にあたる189人が「認知症、あるいは認知機能が落ちている可能性がある」と検査で分かっていたそうです。また、死亡事故につながるような運転をしていた高齢者は、検査後よりもさらに認知機能が落ちていました。

警察庁は、「運転に不安を感じた場合は、免許を自分から返納をしてほしい」と呼びかけています。

しかし、認知症になっているかどうかは外見では分かりません。世間ではまだ、「認知症になったら、自分が誰かも分からず、きちんと会話をすることすらできないだろう」という先入観が根強いため、周囲はもちろん本人でさえなかなか気づけないようです。実際には他の人と同じように話をしますし、思考能力が失われるわけでもありません。認知症だからといって、いきなり何もできない存在になるわけではないということを知っておく必要があります。

だからこそ、本人が安全運転を意識し、周囲は認知力低下のサインを見逃さないことが大切なのです。

現状、高齢者の運転は何歳までという法律はない

高齢者の運転を禁止する法律はありません。免許更新の時に行なう検査で「認知症のおそれ」があると判断されても、運転を止めることはできないのです。

高齢者講習ではどんなことをやるの?

70歳を超えると、1年ごとに講習を受けて免許の更新をします。高齢者講習では、ビデオで交通ルールを再確認したり、動体視力や夜間視力が衰えていないか調べたりします。

75歳以上になるとイラストボードを使った検査が追加されます。これは「講習予備検査」と呼ばれていて、解答用紙に記入する方法が一般的です。

どのタイミングで免許を返納するべき?

ドライバーに求められるのは、歩道にいる子供たちを含む、まわりにいる全ての人々の安全確保です。ですので、厳しいようですが、「とっさの判断力が落ちていることに気づいたその時が返納のタイミング」です。想定より早いと感じるかもしれませんが、万が一が起こってからでは遅いという点を考えると、この「自分の判断力が落ちているようだ」と思ったそのタイミングが免許返納のタイミングとするのがよさそうです。

高齢者は危険さについて認識はしているものの、運転をやめるタイミングが分からない、あるいはずっと運転を続けていたいと思う方が多いようです。また、自動車以外に交通手段がない地域では買い物に不便を感じてしまうこともあります。生きていくうえで車が必要不可欠だという環境も、「まだ免許は返したくない」という高齢者が増えている原因だといえます。

できるだけ運転し続けたいという気持ちも尊重してあげたいところですが、どうしてもハンドルを離してくれない場合は、辛い選択ですが廃車にするという強硬手段を取ってでも、運転を止めてもらうべきでしょう。

一つの目安として、運転時認知障害早期発見チェックリストというものがある

認知症のサインには、いち早く気づくことが大切です。その具体的な方法として、運転時のチェックリストが公開されています。

運転時認知障害早期発見チェックリスト30

このチェックリストは、鳥取大学医学部教授の浦上克哉医師による監修のもと作成されました。浦上医師は、認知症に関する著書を多く出している認知症の権威です。

このチェックリストで、5つ以上チェックが入った場合は、認知機能が低下している可能性があります。年に一度はチェックを行い、30問中5問にチェックが入った場合は、専門医の受診を検討しましょう。

  • 【1】車のキーや免許証などを探し回ることがある。
  • 【2】今までできていたカーステレオやカーナビの操作ができなくなった。
  • 【3】トリップメーターの戻し方や時計の合わせ方がわからなくなった。
  • 【4】機器や装置(アクセル、ブレーキ、ウィンカーなど)の名前を思い出せないことがある。
  • 【5】道路標識の意味が思い出せないことがある。
  • 【6】スーパーなどの駐車場で自分の車を停めた位置が分からなくなることがある。
  • 【7】何度も行っている場所への道順がすぐに思い出せないことがある。
  • 【8】運転している途中で行き先を忘れてしまったことがある。
  • 【9】良く通る道なのに曲がる場所を間違えることがある。
  • 【10】車で出かけたのに他の交通手段で帰ってきたことがある。
  • 【11】運転中にバックミラー(ルーム、サイド)をあまり見なくなった。
  • 【12】アクセルとブレーキを間違えることがある。
  • 【13】曲がる際にウインカーを出し忘れることがある。
  • 【14】反対車線を走ってしまった(走りそうになった)。
  • 【15】右折時に対向車の速度と距離の感覚がつかみにくくなった。
  • 【16】気がつくと自分が先頭を走っていて、後ろに車列が連なっていることがよくある。
  • 【17】車間距離を一定に保つことが苦手になった。
  • 【18】高速道路を利用することが怖く(苦手に)なった。
  • 【19】合流が怖く(苦手に)なった。
  • 【20】車庫入れで壁やフェンスに車体をこすることが増えた。
  • 【21】駐車場所のラインや、枠内に合わせて車を停めることが難しくなった。
  • 【22】日時を間違えて目的地に行くことが多くなった。
  • 【23】急発進や急ブレーキ、急ハンドルなど、運転が荒くなった(と言われるようになった)。
  • 【24】交差点での右左折時に歩行者や自転車が急に現れて驚くことが多くなった。
  • 【25】運転している時にミスをしたり危険な目にあったりすると頭の中が真っ白になる。
  • 【26】好きだったドライブに行く回数が減った。
  • 【27】同乗者と会話しながらの運転がしづらくなった。
  • 【28】以前ほど車の汚れが気にならず、あまり洗車をしなくなった。
  • 【29】運転自体に興味がなくなった。
  • 【30】運転すると妙に疲れるようになった。

[注1]

簡易版、運転免許返納チェックシート15

また、簡易版として、同じ浦上克哉教授監修による「運転免許返納チェックシート15」も公開されています。30項目を埋めるのは時間がかかるので、手軽にチェックできるのは嬉しいですね。年に1回は「運転時認知障害早期発見チェックリスト30」で確認し、普段はこちらの簡易版を使ってチェックすると良いでしょう。

簡易版のチェックシートで3つ以上当てはまった場合は要注意。これも30のチェックリストと同じく、年に1回はチェックするのが良いでしょう。

15項目中、3項目以上当てはまった場合は、念のために専門医の診察を受けることをおすすめします。

  • 【1】車のキーや免許証を探しまわることがある
  • 【2】今までできていたカーステレオやカーナビの操作がわからなくなることがある
  • 【3】スーパーなどの駐車場で自分の車を止めた位置がわからなくなることがある
  • 【4】運転中にバックミラー(ルーム、サイド)をあまり見なくなった
  • 【5】アクセルとブレーキを間違えたことがある
  • 【6】曲がる際にウインカーを出し忘れることがある
  • 【7】反対車線を走ってしまった(走りそうになった)
  • 【8】右折時に対向車の速度と距離の感覚がつかみにくくなった
  • 【9】車間距離を一定に保つことが苦手になった
  • 【10】車庫入れで壁やフェンスに車体をこすることが増えた
  • 【11】駐車場所のラインや、枠内に合わせて車を止めることが難しくなった
  • 【12】急発進や急ブレーキ、急ハンドルなど、運転が荒くなった(と言われるようになった)
  • 【13】交差点での右左折時に歩行者や自転車が急に現れて驚くことが多くなった
  • 【14】同乗者と会話しながらの運転がしづらくなった
  • 【15】以前ほど車の汚れが気にならず、あまり洗車をしなくなった

[注2]

特に注意して欲しいのが、【10】にある「車庫入れで壁やフェンスに車体をこすることが増えた」という項目。

【3】(スーパーなどの駐車場で自分の車を止めた位置がわからなくなる)と【11】(駐車場所のラインや、枠内に合わせて車を止めることが難しくなった)も、視空間認知障害の可能性があるので、特に気を付けてほしいポイントです。視空間認知が低下すると、歩行者や自転車に気づきにくくなり、大きな事故に繋がる可能性が高まります。

自分に認知機能低下の兆しが現れているかどうかは、本人ではなかなか気づけないものです。ドライバーだけではなく、家族の目からもチェックしてみましょう。

高齢者の危険運転を検知する運転見守りサービスもある

認知症と高齢者ドライバーによる事故が大きな社会問題になる中、ドライバーが危険運転をしていないかどうか知らせてくれる「Ever Drive」というサービスが展開されています。

あんしん運転見守りサービス「Ever Drive」とは?

「Ever Drive」は、急加速や急減速、速度オーバーといった事故に繋がりやすい運転を察知し、その情報を家族にメールで通知するサービスです。

危険な運転をしている兆候が見られたら、家族などがドライバーとコミュニケーションを取り、注意を促して事故を防ぐ目的で作成されました。

運転中の状況はもちろん、車から降りてもウェブサイトで過去の運転状況を確認可能。どんなルートを走ったか地図上に表され、どこで急ブレーキや急発進をしたかも分かります。

大きな社会問題となっている危険運転

近年、高齢者による交通事故が大きな問題になっています。アクセルとブレーキを踏み間違えたり、逆走したりする事故も珍しくないそうです。

警察庁は、2017年の交通事故による死者数3694人のうち、54.7%が高齢者であると発表しました。これでも減少傾向にあり、依然として交通事故死する高齢者は全体の50%を上回っています。

ドライバーには何よりも、安全運転を意識してもらうのが大事。ドライバーに過去の運転を振り返ってもらうことで意識を高めることに繋がるだろうといわれています。

メールで通知をするシステムなのは、家族に見守ってもらい、高齢者ドライバーが自分を過信せず、常に安全運転を心がけるよう促すため。本人が注意することももちろん大切なのですが、周りの人から声をかけてもらうほうが効果的なのだそうです。

危ない運転は、認知症について考える良いきっかけになる

運転を見直すことは、事故を防ぐだけではなく、認知症とその予防について、家族全員で考えるきっかけになるでしょう。

認知症の疑いがあるとストレートに伝えるのも、「運転をやめて」と言うのも難しいことです。同乗者が危険を感じても、デリケートな問題なので相手を怒らせてしまう可能性があり、面と向かっては伝えにくいと感じるのではないでしょうか。

直接伝えようとするよりも、チェックリストの結果を見返す習慣づくりをしたり、運転時の行動を可視化して通知するツールなどを活用することで、本人も家族も客観的なに危険かどうかを把握できます。具体的な理由があるので、より注意を促しやすくなるでしょう。他に運転をする家族がいたら、お互いチェックしあうのも◎

危険な運転というのは、本人がその危険さや深刻さに気が付きにくいものです。運転は、ひとつ間違えれば他人の生死を左右してしまうため、どんなに注意を払ってもやりすぎるということはありません

ドライバー本人と、そのご家族が「運転に気をつける」という目的を持つことで安全運転に繋がり、認知症の予防にもしっかりと向き合う良い機会になるでしょう。

【参考URLリスト】

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