家族のための楽しい楽しい、認知症予防パーフェクトガイド 認パフェ
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ユマニチュードの考え方と効果

フランス語で「人間らしさ」を意味するユマニチュード。認知症患者に人間らしく接することで、症状の緩和や介護の負担軽減につながる効果を持つとして、現在、日本中の医療機関や介護施設に普及しています。ここでは、ユマニチュードの概要や効果、基本動作、5つのステップなどを詳しくご紹介します。

ユマニチュードとは

ユマニチュードとは、1979年にフランスで考案された認知症患者に対するケア法のこと。単に表面的なケア技術のマニュアルではなく、「そもそも人間とは何か」「ケアの対象となる認知症の方々とは何か」という哲学的課題を追求し、その追求の土台のうえに体系化された具体的なケア法です。

たとえ認知症患者からの反応がなくても、ケアする側は「私はあなたを大切に思っている」「わたしはいつもあなたのそばにいる」というメッセージを、相手の五感を通じて伝え続けます。すると被介護者は、徐々に認知症状が緩和したり、ケアを素直に受け入れるようになったり、極端な場合は、寝たきりの状態から立って歩けるようになったりなど、さまざまな変化を見せるそう。ケアする側も負担が減り、フランスでは介護現場での離職率が著しく低下したそうです。

自宅で介護を行っている方々は、ユマニチュードの専門的なことを熟知する必要はありませんが、その考え方を理解し、基本的なケアの動作を知っておくようにしたほうが良いでしょう。大切なご家族のためにも、自分自身のためにも。

ユマニチュードの効果

ユマニチュードは、フランスの介護現場では40年弱という長い歴史を持つケア法。その実践の歴史から、ユマニチュードにはさまざまな効果があることが明らかになっています。

被介護者に現れる効果

認知症を発症した患者の中には、性格的に乱暴となったり、攻撃的な態度をとったりする方もいます。このような被介護者に対し、ユマニチュードを長く実践していると、徐々に性格が穏やかになっていく、という報告があります。性格が前向きになって意欲が生れた結果、行動量の増加から身体症状の改善を見せる被介護者もいます。

介護者に現れる効果

被介護者の性格が穏やかになり、かつケアに協力的になってくると、介護者の負担は大きく減ります。先にも触れましたが、ユマニチュードが普及しているフランスでは、介護職の離職率が低下しました。 ご自宅で介護している方も、ユマニチュードを実践することにより、その負担が大きく減る効果が期待されます。

ユマニチュードの基本的なアクションとは

介護者が認知症患者に接するときには、「見る」「話す」「触れる」「立つ」という4つの動作を基本的なアクションとします。この4つのアクションの組み合わせから、実に150種類ものケア技術が生まれています。

見る

介護する際には、相手をしっかりと見ることが大切です。見られることにより、被介護者は自身の存在を確認して安心します。 単に体を見るだけではなく、目を見ることが大事。被介護者の目と水平な位置に自分の目を置き、0.5秒以上、目を見ます。

話す

話すときには、ゆっくりとした口調で穏やかに話します。話しても被介護者の反応が薄くても、話しかけることをやめてはいけません。 ケアの動作を実況中継するだけでも、被介護者は安心します。たとえば、背中を拭いているときに「今、背中を拭いていますよ」などと声掛けすることです。

触れる

触れることで、被介護者は安心感を覚えます。赤ちゃんに触れるときのように、やさしく包み込む気持ちで触れましょう。 触れる面積が広ければ広いほど、被介護者は安心すると言われています。手を握るときには、手のひら全面が触れるように握ると良いでしょう。

立つ

人は、横になっているときよりも座っているときのほうが、座っているときよりも立っているときのほうが、より高い空間認識を持つことができます。空間認識が高まることにより、自分の存在を強く自覚することができます。 可能であれば、被介護者を横になったままの状態にさせておくのではなく、座らせる時間も設けます。立たせることができるようであれば、なお理想です(ケガの心配があるので無理はしないようにしてください)。

ユマニチュードのステップとは

ユマニチュードを実践する際には、以下の5つのステップを踏むことが基本となります。

ステップ1:出会いの準備

介護者が来訪したことを被介護者に知らせ、ケアを受け入れるかどうかを被介護者に選択させる、という形を演出します。 ノックを3回して返事を待ち、返事がなければ再びノックを3回して返事を待ちます。返事がなければ1回ノックをして入室します。

ステップ2:ケアの準備

入室して目と目が合ってから3秒以内に、上記「見る」「話す」「触れる」などを混ぜ合わせながら、「あなたに会うために来ました」というメッセージを伝えます。

ステップ3:知覚の連結

ケアを行う際には、「あなたのことを大切に思っている」という気持ちを持ち、かつ、そのメッセージを伝えながらケアを行います。背中を拭きながら「気持ちいいですか?」などと声掛けするだけでも良いでしょう。 なお、知覚の連結とは「見る」「話す」「触れる」のうち、2つ以上の動作を同時に行うことを指します。

ステップ4:感情の固定

ケアを終えたときに、今回のケアが心地の良いものだったという感情を抱いてもらいます。 「今日は気持ち良かったですね」「ケアに協力してもらって、ありがとうございました」と、相手に心地の良い言葉を伝えます。

ステップ5:再会の約束

「また次回、この心地良い人が来てくれる」という感情記憶を定着させるために、再会の約束をしてからお別れします。 「また●日に来ますね」と言っても記憶でいない被介護者に対しては、メモを残してベッドの横に置いておくのでも良いでしょう。

まとめ:小手先の技術よりも哲学が大事

ユマニチュードには詳細なケア技術が体系化されていますが、技術を習得したからと言って、良質なケアができるというわけではありません。介護者のベースに「被介護者を心からサポートしたい」「被介護者に心地よい気持ちになって欲しい」という哲学がなければ、たとえ実践しても、気体したほどの効果を得られないでしょう。 ユマニチュードに関心を持たれた方は、細かい技術よりも、まずは考え方をしっかりとご自身に浸透させてください。

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【参考URLリスト】

「1.優しさを伝えるケア技術:ユマニチュード」(日本腎不全看護学会誌 19巻1号)

「01.ユマニチュード」(調布東山病院)

「150の技術から成る認知症ケア『ユマニチュード』考案者イヴ・ジネスト氏が東大の公開授業で解説」(日経メディカル)

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