家族のための楽しい楽しい、認知症予防パーフェクトガイド 認パフェ
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失認障害

中核症状の失認障害はどんな病気か

私たちは、目や耳、鼻などの、いわゆる五感を通じて周囲の状況を把握しています。認知症の患者の中には、これら五感に異常がないにも関わらず、周囲の状況を正しく把握できない例が見られます。このような症状を失認障害と言います。失認障害の具体例を見てみましょう。

失認障害の具体的な例

どこを触られているのか分からない

他人に体を触れられていることには気づいているのに、どの部位を触れられているかを理解できないことがあります。皮膚感覚に異常があるわけではありません。

ピアノの音色を聞いてピアノであることを理解する

目の前に置いてあるピアノが何の用途を持つ道具なのかを理解できず、誰かがそのピアノを弾いて初めて、それがピアノであることを認識します。視力に異常があるわけではありません。

ご飯を半分だけ残す

右か左、どちらかを失認することがあります。結果、ご飯は片側半分だけ残す、などの症状を見せることがあります。これを「半側空間失認」「半側空間無視」などと呼びます。

中核症状の失認障害になる原因

脳の中に生じている原因

認知症の影響などにより、脳の頭頂葉と呼ばれる部分が障害された場合、失認障害の症状が生じることがあります。また、右頭頂葉が障害された場合には、「半側空間失認」が生じることがあります。

「失認」とは、知っているはずのことを認識できなくなるものをいいます。失認にはいくつかの種類があります。「視覚失認」では、鉛筆をみても鉛筆とわからないなど、みたものが何であるかを認識できません。人の顔をみても誰だかわからなくなる「相貌失認」では、子どもや孫の顔がわからなくなることもあります。そのほかにも、空間における位置関係がわからなくなる「視空間失認」、現状を全体として理解できない「同時失認」などがあります。

引用:「ウルトラ図解 認知症 予防・治療から介護まで、知っておきたい最新知識」p.24
監修:国立大学法人 東京医科歯科大学脳統合機能研究センター認知症研究部門 特任教授 朝田隆

中核症状の失認障害の治療法

認知症の中核症状としての失認障害は、認知症が根本的な原因である以上、認知症自体を改善させなければ失認障害も改善されません。現状、認知症を治癒させる方法は確立されていませんが、治療薬などにより症状の進行を緩やかにすることは可能です。

治療薬の種類

現在、「アリセプト」「レミニール」「リバスタッチパッチ」「メマリー」という4種類の薬が認知症治療薬として厚労省から認可されています。アルツハイマー型認知症とレビー小体認知症に効果を持つのが「アリセプト」。他の3種類はすべてアルツハイマー型認知症のみに効果を発揮します。

家族・介護者の接し方

失認障害を生じ始めた当初、患者本人は自分の失認症状を自覚していません。家族などから何度か指摘されているうちに、徐々に自身に失認症状があることを自覚します。よって、まずは患者本人に失認障害があることを自覚させることが大切です。

たとえば「半側空間失認」でご飯を半分だけ残した場合、「ご飯が残っていますよ」という声掛けだけでは、患者本人はこれを理解できない可能性があります。「ご飯が残っていますよ」という声掛けと同時に、「食べた後はこうしてみたらどうでしょうか?」と言い、食器を180度回転させます。こうすることで本人は初めて、ご飯を半分残していたことに気付きます。

他のタイプの失認障害についても、患者の安全性確保のため、逐一声掛けしつつ、患者本人の手を実際に物体を触らせるなどして認識を促すようにしましょう。

参考資料

公益財団法人長寿科学振興財団「認知症の中核症状」

脳神経外科 澤村豊のホームページ「頭頂葉の解剖図」

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