家族のための楽しい楽しい、認知症予防パーフェクトガイド 認パフェ
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抑うつ|認知症の周辺症状の原因と対処法

認知症の代表的な周辺症状の一つが抑うつ。意欲の低下や気分の落ち込み、無関心など、精神面で起こる各種の病的な症状のことを抑うつと言います。無理な介護などで本人にストレスを与えないよう、介護する家族は温かく本人に接することが大切。ここでは、認知症を原因とした抑うつについて、症状の特徴や原因、対処法、治療法などを詳しくご紹介しています。

認知症の周辺症状の抑うつとは

抑うつとは、気分の落ち込みや意欲の低下など、精神に現れる病的なマイナス症状の総称。中には、抑うつの症状の一環として、頭痛や入眠困難などの身体的症状を伴う患者もいます。

主に、初期段階における認知症患者に生じる症状の中には、その周辺症状の一つとして抑うつが見られる傾向があります。

ただし、抑うつは認知症に特有の症状ではないので、たとえ認知症患者が抑うつを生じたからとしても、一律に認知症が原因であると断定することはできません。認知症が原因の抑うつであるかどうかを判断するには、脳の画像診断などを通じて正確に分析する必要があります。

抑うつで見られる各種の症状

認知症が原因で抑うつが生じた患者には、主に以下のような症状が見られます。

  • 意欲の低下
  • 無関心
  • 気分の落ち込み
  • 思考力の低下
  • 食欲の低下
  • 睡眠障害
  • 倦怠感

これらは、認知症ではない人に生じた抑うつにも見られる症状。よって、その症状の原因が認知症であるのか、それとの別に原因があるのかを判断することは、容易ではありません。

ただし、一般的な抑うつ症状のベースには「悲壮感」があるのに対し、認知症を原因とした抑うつ症状のベースには「無関心」があるとされています。何が原因の抑うつであるかを判断する際には、本人に「悲壮感」が見られるのか、それとも「無関心」が見られるのかを一つの基準にしてみましょう。

認知症の周辺症状で抑うつになる原因

認知症による抑うつの原因には、主に「自信の喪失」と「生物学的理由」の2つがあるとされています。

自信の喪失

認知症の初期段階に発症する抑うつは、主に、本人の自信の喪失が原因であるとされています。 初期の認知症患者の中には、自分の記憶力が低下していることを自覚している人もいます。それら患者の中には、能力の低下に対する自信の喪失や、将来の自分への不安等が原因となり、抑うつ症状を発症する例も見られます。 このタイプの抑うつについては、認知症が原因であるかどうかをライン引きすることが難しいかも知れません。

生物学的理由

認知症が初期段階より進行しても抑うつが続く場合には、自信の喪失等が原因ではなく、脳における生物学的な理由が存在していると考えられています。具体的には、脳内に生じたアミロイドβ蛋白や、脳の扁桃体に生じたレビー小体関連の病変などです。

認知症による抑うつの対処法と治療法

認知症を患う家族に抑うつ症状が現れた場合の対処法、および医療機関における治療法について見ていきましょう。

抑うつを生じた認知症患者への対処法

本人に自信を持たせる

主に認知症の初期段階における抑うつ患者については、多くの場合、その原因は自信の喪失です。本人に自信を持たせることで、抑うつ症状の改善を目指しましょう。 具体的には、本人に何らかの役割を持たせること。食事前にテーブルを拭くなどの、簡単な役割で構いません。家族から役割を与えられることで、本人は「自分はまだ頼られている」と感じます。役割を果たしたら本人にお礼の意を伝え、家族から頼られているという実感を持たせてください。この実感が本人の自信につながり、やがては抑うつ症状の改善への一助となることでしょう。

ストレスを溜めさせない

認知症を患っているかどうかに関わらず、ストレスは抑うつ症状を著しく悪化させる要因です。本人にストレスを感じさせないよう、介護者はさまざまな工夫を行ってください。介護拒否をする患者に対して無理に介護を強行すると、本人の中には強いストレスが蓄積することがあるので、介護者は注意が必要です。

軽い運動をさせる

体を動かせる状態であれば、軽いウォーキングをするなどし、体を動かすように促してみてください。運動を通じて血行が良くなり、脳の働きが活発化して抑うつ症状が軽減することがあります。 ただし、交通事故や迷子などの危険を避けるため、本人の認知症の症状に応じ、介護者は運動に付き添うようにしましょう。

認知症の人の気分を落ち込ませるもっとも大きな要因は、自信のなさや孤独感です。「必要とされている」という思いを持たせる溜めには、できないことを無理やりやらせようとするのではなく、できることをやってもらうようにします。そして、「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えることが大切です。

引用:「ウルトラ図解 認知症 予防・治療から介護まで、知っておきたい最新知識」p.130
監修:国立大学法人 東京医科歯科大学脳統合機能研究センター認知症研究部門 特任教授 朝田隆

医療機関における治療法

医療機関では、ベースになる薬としてドネペジルやガランタミン、リバスチグミン、メマンチンなどを処方します。これら認知症治療薬を適切に服用することで、認知症そのものの進行を抑制するようにしてください。認知症の症状の進行を抑えることができれば、抑うつの症状も悪化しにくくなるでしょう。 なお医療機関では、重度の抑うつ症状を患う患者に対し、対症療法として向精神薬や抗不安薬、睡眠薬などを処方することもあります。医師の指示にしたがい、適切に薬を服用するようにしましょう。

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