家族のための楽しい楽しい、認知症予防パーフェクトガイド 認パフェ
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異食|認知症の周辺症状の原因と対処法

認知症の周辺症状の一つに、異食があります。異食とは、食べ物ではないものを食べ物と誤認し、実際に食べてしまう行為のこと。電池や煙草など、健康被害が生じる恐れのあるものを異食しないよう、介護者には十分な対策が望まれます。ここでは、異食の具体的な症状や原因、異食を生じた患者への対応、治療法などについて詳しくまとめました。

認知症の周辺症状の異食とは

認知症が原因で、食べ物ではないものを食べてしまう行為のことを、異食と言います。 口に入るサイズのものならば、何でも異食の対象となります。具体的には、花、ティッシュ、石鹸、紙おむつなど。食べても大きな健康被害をもたらさないものであれば良いのですが、電池や漂白剤、煙草、薬品など、健康被害のリスクがあるものを食べることもあるので注意しなければなりません。ビニールを食べて窒息した例も報告されています。

異食が見られる認知症の患者に対し、「それは食べ物ではないので食べてはいけない」と説明しても、あまり意味はありません。その場では理解できるかも知れませんが、後日、また同じものを食べようとする可能性があります。 中には、食べることを禁じられたことにストレスを感じ、家族のいないところで異食が悪化しているケースもあります。食べ物ではないことを丁寧に説明することは良いのですが、注意したり物理的に取り上げたりすることは避けるべきでしょう。

異食を起こす原因

認知症の患者が異食を起こす原因には、主に以下の4つがあると考えられています。

失認の影響がある

認知症の中核症状の一つに、失認という症状があります。失認とは、本人が感じたものを脳が正しく認識できない状態のことを指します。 物事を正しく認識できない状態の中では、目の前のものが食べ物であるかどうかを、正しく判断することができなくなることがあります。結果、異食が生じます。

お腹が空いている

認知症患者の中には、お腹が空いたと自覚したとき、目の前にあるものを食べてしまう人がいます。特に、失認症状の著しい患者が空腹に至った時、異食を起こす例が散見されます。 なお、認知症の影響により脳の満腹中枢に障害が生じている場合、実際には空腹ではなくとも空腹と感じ、結果、異食が生じるケースもあります。

不安やストレスがある

プロ野球選手がバッターボックスに入る際に、平常心を保つために、ガムを噛む例が見られます。あるいは、プレゼンの迫ったサラリーマンが、心を落ち着かせるために喫煙をする例が見られます。 これらの例のように、人は不安や緊張、ストレスが強くなると、無意識に口にモノを入れる傾向があります。認知症の患者においても同様。何らかの不安やストレスを抱えた結果、心を落ち着かせるために異食することがあります。

異食の対処法と治療法

普段食事をしている席に座ったり、または、いつもの食事時間が近づいてきたりなどすると、本人は食事のタイミングであると誤認し、目の前にあるものを異食することがあります。

異食の対処法と治療法

認知症の影響による異食が見られたときの介護者の対応、および医療機関での治療法について見ていきましょう。

異食が見られる患者への対応

口に入りそうなものを患者の周囲に置かない

異食を予防する基本は、患者の口に入りそうなサイズのものを患者の手の届く範囲に置かない、ということ。主に、丸いものやカラフルなもの、ふわふわしたものを異食するケースがあることを、介護者は覚えておいてください。 電池、針、煙草、漂白剤など、異食することで健康被害が生じるものは、ぜったいに患者の目の付くところには置かないようにしましょう。

空腹を感じさせないようにする

満腹時に異食を起こすケースは、あまり多くありません。よって、常に空腹を感じさせないようにさせれば、異食が起こる頻度は減るということです。 食事とは別に、定刻になったらおやつを用意するなどし、本人に空腹を感じさせないようにしましょう。

食事の時間と食事以外の時間を明確にする

毎日、決まった時間に食事をし、その時間以外は別のことをやるなど、時間の使い方にメリハリをつけることも有効と言われています。

異食対策の基本は、患者が口にできるものを周囲に置かないこと。これだけでも異色は大きく改善されます。 しかしながら、いかにモノを隠しても、本人が見つけ出して食べてしまう可能性も否定できません。異食の症状がまったく改善されないようであれば、ケアマネージャーなどの専門家に相談するようにしましょう。

認知症になると、認知機能の低下にともない失敗することや対処できないことが増えてきますが、 初期には本人もそのことを自覚しているものです。 忘れてしまうことへの不安、失敗してしまうことへのいら立ち、そして自分が自分でなくなってしまうような恐怖を感じているのです。そんな気持ちに気づかず、叱ったり、強い苦闘でたしなめたり、逆に赤ちゃん扱いしたりすると、本人は自尊心が傷つけられ、気分が落ち込み、意欲を失い、引きこもりや不眠、妄想や暴力につながることがあります。

認知症の人は、認知機能障害によって理解ができなくても、うまく表現ができなくても、何とかしようという気持ちを持っています。何とか適応しようと行動するのですが、それがうまくいかないと間違った行動や問題行動となり、周囲を戸惑わせてしまうのです。

引用:「ウルトラ図解 認知症 予防・治療から介護まで、知っておきたい最新知識」p.130
監修:国立大学法人 東京医科歯科大学脳統合機能研究センター認知症研究部門 特任教授 朝田隆

医療機関における異食の治療法

異食は認知症の周辺症状の一つに分類されますが、一方で、中核症状の失認の影響も強くあると言われています。医療機関では、認知症の中核症状の進行を緩やかにするために、ドネペジルやガランタミン、リバスチグミン、メマンチンなどを処方しています。これら薬を適切に服用し、失認症状の進行抑制を目指してください。

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